ロバの少女~咎人の島
条件
「忘れられていく島でなく、もう一度世に。今度こそ明るい世界で、ふつうの子として…」
泣いている
トッコの面から、いくつもの涙が落ちた
「トッコさん、トッコさんは誰なんですか?」
「私は…母親。あの子が母親だと思っていた凪は、私の妹。」
「…どうして名乗ってあげないんです?!」
「約束だからさ…私はあの子を逃がした罰として、島と世を繋ぎ、監視たちを統べる役目をやらされた。子を産んだ罰として、島民と関わることを禁じられた。父親、フギは監視にされ…世にとられた。あの子を逃がしたとき、私は妹に約束した。もし、あの子に会う日がこようと。母とは名乗らないと…。」
「めちゃくちゃだ。そんなの…ひどすぎる。」
「あの子を、救ってほしい。こんな狂った決まりの中ではない…自由で明るい世に…………」
「ミキを、世に連れて行きます」
「世はひとりしか受け入れないぞ」
「監視になります」
「監視にはなるな」
フギの言葉が、温かくレンの中に残っていた
「私は…私は、また引き離してしまうのか?あの子から取り上げてしまうのか?」
「オレは何があっても、ミキを守り続けます。面と向かって会えなくても。言葉を交わせなくても。触れることができなくても。オレがずっと、見守ります。」
「ミキにどう言う?」
「フギさんが世にいると。嘘にはなりませんから。鯨とりはオレが。これなら、いいでしょう?」
猫に支えられトッコは真っ直ぐにレンを見た
「決まりを壊したいと願ったのにな‥。島はこのまま、決まりを守っていこう。そして、私たちの手で終わらせよう。」
「鈴を渡してあげてもいいですか?」
チリン
「今夜、発て」
「忘れられていく島でなく、もう一度世に。今度こそ明るい世界で、ふつうの子として…」
泣いている
トッコの面から、いくつもの涙が落ちた
「トッコさん、トッコさんは誰なんですか?」
「私は…母親。あの子が母親だと思っていた凪は、私の妹。」
「…どうして名乗ってあげないんです?!」
「約束だからさ…私はあの子を逃がした罰として、島と世を繋ぎ、監視たちを統べる役目をやらされた。子を産んだ罰として、島民と関わることを禁じられた。父親、フギは監視にされ…世にとられた。あの子を逃がしたとき、私は妹に約束した。もし、あの子に会う日がこようと。母とは名乗らないと…。」
「めちゃくちゃだ。そんなの…ひどすぎる。」
「あの子を、救ってほしい。こんな狂った決まりの中ではない…自由で明るい世に…………」
「ミキを、世に連れて行きます」
「世はひとりしか受け入れないぞ」
「監視になります」
「監視にはなるな」
フギの言葉が、温かくレンの中に残っていた
「私は…私は、また引き離してしまうのか?あの子から取り上げてしまうのか?」
「オレは何があっても、ミキを守り続けます。面と向かって会えなくても。言葉を交わせなくても。触れることができなくても。オレがずっと、見守ります。」
「ミキにどう言う?」
「フギさんが世にいると。嘘にはなりませんから。鯨とりはオレが。これなら、いいでしょう?」
猫に支えられトッコは真っ直ぐにレンを見た
「決まりを壊したいと願ったのにな‥。島はこのまま、決まりを守っていこう。そして、私たちの手で終わらせよう。」
「鈴を渡してあげてもいいですか?」
チリン
「今夜、発て」