愛してるさえ、下手だった
「じゃあ、なんで…」
「え…?」
「なんで笑ってんだよ!なんで笑ってられるんだよ!!」
あんまりにも理不尽だった。
笑ったんだじゃないよ、だってあたしが泣いたらあなたをもっと落ち込ませることになるでしょう?
「バカにしてるんだろ、お前も」
違うよ、信じて。
あたし、そんなこと思ってない。
大好きなあなたをバカにするなんて、ありえない。
「いっつもへらへら笑いやがって…!」
怖いよ、どうして。
あなただって笑ってくれたじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃない。
あたしはただ、その言葉がほしかっただけなのに。