愛してるさえ、下手だった
独りが怖かった。
独りになることだけは嫌だった。
だって家でもあたしは寂しかった。
仲のいい両親。
傍から見ればとてもいい家族だったんだろう。
だけど母と父の間に壁がなくても、あたしと両親の間には大きな壁があった。
あたしはいらない子だった。
「じゃあ満希、お留守番しててね。遅くなるから戸締りよろしくね」
「うん」
そう言って両親が出ていった後、あたしは大きくため息をつく。
いつもこうだ。
今日も変わらなかった。
今日もあたしは留守番だ。
両親は周りから羨まれるほどに仲が良かった。
だけどあたしはいつも置いてきぼりだった。