月光狂想曲Ⅱ‐悪魔の花嫁‐
三人の娯楽
『よーやくついたなぁ!』
『…眩しい。』
みんなの行動力には驚かされる
あれから荷物を急きょまとめさせられ、すぐに城から人間界へと出発した
時に、人間界は昼
グレネディアは眠たそうに欠伸、ウァルドは眩しそうに目を細めている
仁は半分天使の血が混ざっているからだろうか
ウァルドのように日光に辟易はしていなかった
私はというと、やはり久しぶりの人間界に胸を弾ませていた
すぅっと空気を胸一杯に吸い込む
魔界とはちがって、暖かい日光の臭いが微かに鼻を掠めた
…それにしても
「ねぇねぇ、あの人たち美形じゃない!?」
「どこどこー?
あっ、ほんとー!
モデルかな?!」
「どうする声かけちゃう?!」
周りからの視線が私たちのいる場所、いや、ウァルドたちに集中していてとても気になる
悪魔は美形が多い
その人間離れした美貌で人間を惑わせる
グレネディアはというと、魔界から出た瞬間、本来の大人の姿に戻っている
やはり、天界の者も美しかった
特に珍しいグレネディア綺麗な髪色は太陽に反射して輝いていた