月光狂想曲Ⅱ‐悪魔の花嫁‐
聖夜の火花
ひやりと冷たい風が吹いた気がした
風の先を見てみると、一面の銀世界が広がっていた
「ウァルド?」
『ああ、悪い。
冬の風はすこし冷たかったか。』
真っ白な地を背景に佇む彼は、まるで天使のようだった
彼は悪魔、私の敵だった悪魔なのだ
私たちの出会いは最悪だった
私、キナライア・ゼノナイン・シルフィアはグナム王国の娘で国の反映のために悪魔に嫁ぐことになっていた
その嫁ぎ先が目の前で微笑んでいる悪魔、ゲオルグ・ファナ・ウァルドである
『あれれー?
シルフィアちゃんもう起きとるん??
なんや、はやいなぁ。』
今笑顔で入ってきた男の子も悪魔で、天使の血が半分混じっている
彼はウァルドの親友で絢房 仁
彼は私のことを気にかけてくれて、この屋敷にすんでくれたのだが今ではすっかり馴染んでいる