RINE‐俺様御曹司×意地っ張り姫-

笑顔がさらにひきつり始めたあたしの腕を香織がつかんだ。


「香織…?」


「海、ここ食堂ね?」



冷静に言う香織。


きっと、今のあたしはカイの姿。


そんなすがたを始めてみた香織は苦笑い。





……………そうだったー!



ここ食堂だ!?


あたしって絶対自分の首絞めてる。

食堂にいる全員の視線はあたしたちの言い争いに向けられていた。


久々に会って、せっかくまたあったのに気づいてもらえなくて、あったばかりの時と同じ扱いをされてあたしは勝手に…。

恰好悪っ…

あたしはもうここにいたらヤバい。

泣きそうになってあたしは一言言い放った。



「もう戻る」


そしてあたしは食堂を飛び出した。


「海!!」


あたしを引き留める大地先輩や香織の声を無視してあたしはとにかく走った。

あんなところにいたらあたしは弱くなる…



せっかく遠くから見守る

そう決心したのにこんなに早く決心が崩れかけるなんて―――………






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