幼なじみと2週間
「キャーー!」
あたしは本日二度目の悲鳴をあげた。
その声と同時に恭吾はドアを完全に開けた。
「あ、着替え中だった?てかそのまま着替えてていいよ。」
「バカっ!早く出てってよ!着替えれるわけないでしょ。」
恭吾に背を向けて、今度は慎重に、かつ早くボタンを止め直した。
「お前早っ。てかそんなに気にすることなくね?どうせ見るんだし。」
"どうせ見る"
その言葉があたしの頭の中で何度もリピートされる。
「もう!見るわけないでしょ?てか出てってってば。本当変態、最悪!」
朝から変なことばっか言って…せっかく早く準備したのに遅刻したらどうすんの?
…遅刻?
「あ!時間!」
時計を見る暇もなく、リビングに行き鞄を取ってもちろん携帯も持って、バス停へ走った。
もう最悪っ!
一度も休まずバス停まで走り続けたから、せっかく整えた髪も制服もグチャグチャだ。
ただ…バスに間に合ったのはよかったけど。
急いで乗り込んで、席を探した。
あ!1つだけ開いてる。
その席に向かうと隣には男の子がすでに座っていた。
カッコイいじゃん!
「あの…隣いいですか?」
気になってない素振りをしてるけど、本当はちょっと気になってたり…。
「ん、いーけど。てか名前なんてゆーの?」
すんなりとOKしてくれた男の子は、あたしと同い年くらいなのにすごく整った顔立ちで、少しチャラチャラした格好も似合っている。