幼なじみと2週間
「よしっ、できた!どう?はい、鏡!」
「これ…あたし?全然雰囲気違う!」
「やっぱ鈴はメイクも似合う!ってかメイクしたほうが可愛さ増す!」
愛佳の言葉にあたしは満足げに笑みを浮かべた。
鏡に映るあたしは完全にいつものあたしと違う自分になっていた。
愛佳に髪型も整えてもらい、あたしたちはお店に入った。
「愛佳ーっ!…と、鈴ちゃんだっけ?なんかいつもと違うけど可愛い!」
席に向かうと、愛佳の友達の子が他にも何人かいて大体そろっているようだった。
「ありがと!愛佳にやってもらったんだ!」
「愛佳やるねぇ!」
「でしょ!あたしだからね」
なんて話をしていると、遅れてきたらしい男の子たちが走ってきた。
「わりぃ!遅くなった……って鈴?」
この聞き覚えのある声って…
「ちょっ!恭吾?なんでいんの?」
視線の先にいたのはまぎれもない、恭吾と…
「お。鈴じゃん!バスんときの一生だけど…覚えてる?」
本日二度目の一生くんだった。
今更ながら後悔するなんて…。
一生くんはいいとして、なんで恭吾がいるの?
「まさか会うなんてね!一生くん覚えてるよ!」
「ちょっとちょっと。鈴このイケメンくんたちと知り合い?あたしにも紹介してよ〜!」
小声で愛佳はあたしにそういった。
「あたし、そこまで仲いいわけじゃないんだって!恭吾とは幼なじみ。一生くんとはただ今朝のバスで隣だっただけ!」
必死に説得するあたしにあきらめて愛佳は追求をやめた。
はあ…。
あたし今日はツいてない!