幼なじみと2週間
「はいはい!じゃあ全員集まったことだし席替えしよーぜ!」
男子の中の1人がそういった。
「じゃあくじで決めよーぜ!」
――――――――……
――――――……
ゲッ…。
あたしは今あからさまに嫌そうな顔をしていると思う…。
だって、だって、
隣が恭吾なんだもん。
「おい、鈴!さっきからなんだよその顔。」
横から恭吾が、あたしの顔を覗き込む。
「なっ…、やめてよ!なんでもないし」
「じゃあ喜べって、俺と隣なんだし。変にほかのしらねーやつと隣よりましだろ?」
そりゃそうかもだけど。
「まあそうかもだけど…てか恭吾ってなんで合コンに来たの?」
いつも来てんのかな?
あー、なんかもやもやする。
「暇だったし来ただけ。てかそれいうなら鈴だろ?しかも何メイクに気合い入れてんの」
「あたしだって女なの!メイクくらいするもん」
「とかいって、合コンのために気合い入れてきたんだろ?」
「だってまさか恭吾が…いるなんて思わなかったから!」
「ばーか。俺だって彼女がほしい年頃だっつの。ま、せいぜい頑張れよ!」
「あたしはいいのー!好きな人ができたらで。」
もうヤケクソだ。
「あー悪いって!そんな怒んな。」
そう言うと、あたしの頭にポンと手が置かれた。
「わっ!なに?」
あたしは恭吾を見つめる。
恭吾もあたしも見つめる。
「みんな!もーそろそろ解散しよーぜ。後はそれぞれでってことで。」
そういうと、みんなバラバラになってしまった。