幼なじみと2週間
女の子たちはゾロゾロと一生君や恭吾の周りに群れている。
「一生く〜ん!メアド交換しよ〜?」
「恭吾くんもぉ!」
なんて声がたくさん聞こえてきた。
「鈴!恭吾くんたち人気だけどいいのー?取られちゃうよ?」
隣の愛佳もこの光景をみて、不適な笑みを浮かべながらあたしの腕をつついた。
取られるって…。
あたし好きじゃないんだけど…
「何言ってんの〜?まぁ確かに人気だけど…別にあたしは、いいと思う!」
「そっか。てか、あたしもうそろそろ帰るね!送ってもらうの。鈴も誰かに送ってもらいなよ?じゃあ明日〜ばいばい!」
「あっ、うん!ばいばい!」
愛佳を見ると愛佳の隣に座っていた人と歩いていた。
なんかいい雰囲気だな。
時計を見ると、もう7時をすぎた頃だった。
あたしもそろそろ帰ろうかな…。
カバンを持って立ち上がって、女の子の1人に帰るねとだけいって出てきた。
どうせなら誰かに着いてきてもらえばよかった?
なんて今さら思ったりして…。
ブーッブーッブーッ
「うわっ!」
いきなり鞄の中の携帯が震えた。
「もっもしもし!」
「…鈴、今どこ?」
携帯から聞こえてくる声は低くて、でもなぜか息切れしているようだった。