幼なじみと2週間








恭ちゃんは何を思ったのか、あたしを見下ろしながら徐々に顔を近づけてきた。





え?ちょ、まさかのキス!?





久しぶりに会ってすぐこれはないでしょう!





近いってば、近いよ恭ちゃん!





心の中では思っているものの、なかなか口に出せない…。





気づけば距離はあと数10センチといったところで…。





「きょ、恭ちゃんっ!近い、退いてっ…きゃっ」




やっと言えたと思ったのに、いきなり手首を掴まれてそのまま視界が動いた。





目の前には恭ちゃんが無表情のままあたしを見下ろしていて、抵抗しようにもがっちり頭の上で抑えられている。





あたし…押し倒されてる…?





ちょ、何考えてんの?





これじゃ2週間なんて、もたないよ。





必死にジタバタもがくものの、恭ちゃんの力にはかなわず…。





もう逃げらんないっ…。





そう覚悟を決めて目を閉じたとき…





「なーんてな。…本気にすんなよ、鈴…。」





最後にフッと耳に息を吹きかけられて、あたしは恭ちゃんからパッと解放された。





「…っ///もう!次からかったりしたら許さないんだからっ。」





ニヤッと黒い笑みを浮かべて去っていく恭ちゃんの背中に、どでかい声で叫んだ。








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