Fickle Fortune
と、とにかく何か言わないと!

「あにょ!」

しまった!
噛んじゃった!!

落ち着け!
落ち着くんだ、桜井明日歌!

「あの、急に呼び出してごめんなさい」

「いえ」

「…………」

「…………」

嫌な沈黙……。

あ、そっか。私が言わなきゃいけないんだった!

気を取り直して。

「あの、矢野くん。……ずっとあなたのことが好きでした。私と付き合ってください!」

言った!
言ってやった!

これで罰ゲームは終了!
答えは「NO」だよね!
うん。わかってるよ、矢野拓海!
さあどーんと断ってくれたまえ!

「…………」

「…………」

え?

また沈黙?

私ちゃんと言ったよね?
ちゃんと「好きです」って言ったよね?
言い間違ってないよね!?



「良いですよ」



何秒かして、答えが返ってきた。


イイデスヨ?


あれー?
脳内変換が上手くいかないなー。
矢野拓海は今何て言ったの?

「……はい?」

聞き間違いかと思って、さり気なくもう一度答えを促す。
でも、返ってきた答えは……。

「ですから、貴女とお付き合いさせていただきます」

「…………嘘でしょッ!?」

これが冒頭のやりとりの真相。

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