Fickle Fortune
「は、薄情者ー!!」

「こらこら、無茶言わないの」

2人に見放され今にも泣き出しそうな私を裕香が優しく窘める。

「裕香……」

やっぱり心の友と書いて心友だよね!

裕香は付き合ってくれるよね!!

そう思って安堵したのも束の間、目の前にいる裕香の口元がニヤリと歪んだ。

「ま、まさか……」

「あたしこれからデートだから」

満面の笑みで私の両肩をポンと叩く。

「1人で頑張ってね」

それだけ言い残して3人は行ってしまった。

呆然と立ち尽くしていると、突然裕香が振り向いた。

「言い忘れてたけど、逃げたらもっとヒドい罰ゲームにするから」

裕香様……。
それいじめっ子の台詞です。

「に、逃げないよ!」

「うむ。分かればよろしい」

今度こそ3人は本当に帰って行った。



これ以上の罰ゲームなんて絶対にごめんだ。

私は逃げることを諦め、戦場(告白現場)へ向かった。

< 9 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop