幸せな恋にあこがれて



「………」



10秒経過。
羅美が苦い笑顔で言った。
「私、もっと磨いてハルくんに好かれる女になるからねっ……」


おう って言えなかった。笑えなかった…

ただ…口に出来たのは……
「夢樹と親友だったのに…なんで離れていったんだよっ…?!」

「…えっ……」


「お前、夢樹から逃げていただろ?…なんでだ?」


「私を見てほしかったからよ」
羅美は当たり前の様に言った。

「夢樹といたら、ハルくん絶対私をみてくれないじゃない。だからよ…私を見てほしいの…

ハルくんのこと……本気で好きだから……。


私だけを見てほしいの…!」

「そんだけで、夢樹との友情裏切ったのかよ……」

「私にとっては大事な事よ!」
羅美が、俺にくっついてくる。

「わかる…?好きな人が自分の親友見てて、それを隣でずっと見てるだけな私の気持ち……。

ねぇ…。私を見て…私じゃダメなの……?

ハルくん……私は 夢樹みたいに……」


「やめろよ!」


「ハルくんっ!私は貴方だけをみてあげるっ!!」
羅美はそう言ってキスしようとしてきた。

「俺はーー!」

きっとーーー
< 33 / 45 >

この作品をシェア

pagetop