いじわる教師といじっぱり生徒



「ご、ごめん…」



私は出していた手を引っ込め、亮太と目を合わせたまま立ち上がった。



「あっ…俺こそ、突然ごめんな!」



ハッとしたような顔をして、亮太はいつもの笑顔を見せてくれた。



「ううん。大丈夫。」



今度は亮太がしゃがみこみ、生徒手帳を拾う。


「進み遅いなぁ~。」


そう言って列の前方を見た亮太が、

私には何かを隠しているように見えた。



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