いじわる教師といじっぱり生徒




口を尖らせて隣を見ると、先生はまた空を見上げていた。



「……先生。」


先生は私の呼び掛けに答えず、じっと星を見ている。



「ねぇってば。」


「……」


「聞こえてる?」


「………」


「ね、せん――」



言い終わらないうちに、私の体が突然何かに包み込まれた。


暖かくて、すごく安心する“何か”に…



耳をすますと、ドキ、ドキという心臓の音が聞こえる。



私のじゃなくて…先生の、心臓の音が。





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