いじわる教師といじっぱり生徒



そんなことを考えてまた溢れてきた涙を、拓海の指がもう一度拭った。



「ったく…泣き虫のクセに強がりなんだよな、萌香は。」


「…っ泣き虫じゃ…」


「泣き虫じゃないとはさすがに言えないよな?」



笑いながら私の頭をポンポンッと撫で、拓海はリビングから出ていった。



「先生…拓海。」



好きなの、拓海。


拓海にとっては、私はただのバカな生徒かもしれない。




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