いじわる教師といじっぱり生徒




突然、先生の手に少し乱暴に引き寄せられ、私の体がぴんっと硬直した。


拓海の胸に顔がぴったりくっつく。


人ってこういうとき、本当に目がまん丸になるんだ。


…なんて逆に冷静になるくらい、私の頭の中の思考回路は完全に停止した。



そんな私の横を、大きなトラックが通りすぎる。


見かけに反さない、ブーンという大きな音をたてて、トラックは先の角を曲がっていった。



すぐに静寂が訪れ、拓海が私から離れる。



「危ねーよ。ちゃんと周りみろ。」





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