続・破壊的衝動
「何が良いんですかねぇ?」
「……は?」
切るのがめんどくさくて伸びた爪を、こいつの頬に当てた。
「顔かな?」
するっと指を口元に下ろす。
撫でるように唇に触れた。
あいつが触れた唇。
「キスが良かったのかな?」
首筋をなぞるように爪を柔くたてる。
行き着いた襟を掴む。
皺なんか気にしない。
むしろ、しわくちゃにさせたかった。
「性格だなんて、言わせないけどね。」
「なっ、何をさっきから、」
「あんたなんか、破滅すれば良い。
立ち直れないくらいに滅茶苦茶に、地獄を這えば良い。」
幸せなんて与えたくない。