ミス・チョコ
2.図書委員の話。
私は水曜カウンター当番の図書委員。
最近、噂の翔くん、とやらが図書室によく来る。
ちゃらちゃらした嫌なやつだった彼は、ある日、
「用がないなら帰った方がいいよ。邪魔になるといけないし。」
群がる(うるさい)女子たちを笑顔で一掃。
一躍、我ら図書委員のアイドルになった。
だけど誰も気付いてないでしょ?
彼は、少し離れた席に座るあの子がいる時によく現れること。
彼女が返却した本をせっせと借りてること。
向こうも彼を気にしてる様子。
それってつまり…ねぇ?
だけど私はモブ的図書委員。
だから黙って見守ることにする。
私は水曜カウンター当番の図書委員。
あれから半年後、校内で有名な翔くんカップルを見かけた。
やっぱりほら…ねぇ!
寄り添って帰る二人の背中をなんとなく誇らしげに見送った。
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