恋の教習所
ドキドキ。

ドキドキ。


いやぁ~な感じ。


私のその胸騒ぎ。


女の子ならもしかしたら体験した事あるかもしれない。


本能?直感?


なんとなぁ~く、なんだけど。



私が気になったのは“ゆめ”と呼ばれていた女の子。


前回学科が一緒になった時はそんなに気にならなかった。

友達と一緒にいたからか。

でも、今日の学科では少し様子が違う・・・?


そんな気がするんだ。


前回は友達と話をしたり、賑やかにしていた印象。

今回は・・・・・。

1人だから大人しくしているのかな?って最初は思った。


でも・・・。

なんだかでも・・・・・。


後ろから見ていると・・・・・。


授業のメモを一生懸命取っている。

どの教習生よりも。


これだけだと本当に真面目な感じの子。

そんな印象。


でも、ね?

左へ右へと動く谷川教官に合わせて頭が動いているのが分かる。

少しならみんな動いている。


けど、そんなじゃなくて大きめに。

さらにメモを取るために動かしている手。


その手が直接その授業とは関係のない話の時にも動いている。

確かに知識、タメになる事を言っている谷川教官。

でも、他の教習生はそこまでメモなんて取らない。


普通は取らないんじゃないかな?


けど私は知っている。

“ゆめ”と同じような動きをしていた女の子を。



< 103 / 111 >

この作品をシェア

pagetop