恋の教習所
「一ノ瀬さんもメニュー見て決めなよ。」

そう言って谷川教官は自分が見ていたメニューを渡してくれた。


私側にもメニューは置いてあるのに。


やっぱり・・・優しい人だと思う。




あとは・・・・・・。

こうやって彼女とか女の子とご飯行ってから慣れてるのかなぁ、なんて思ってしまう。


男の人にリードして欲しい、ついて行きたい私は嬉しいけど。

そんな事を考えてしまうとちょっと寂しかったりする。


でも、今日はそんな風に思わず楽しみたいんだ!


「ありがとうございます。」

メニューを受け取った私は中を開く。


「わぁ~・・・。どうしようかなぁ?」


「好きなの選んだらいいよ。」

中を見て迷っている私に声をかけてくれる。


ジュウジュウ言ってる音が小さくなってきたからきっともうお肉がなくなりかけているんだ。


早く注文しないと!

谷川教官も待ってるだろうし。


「じゃあ、私もカルビでお願いします。」

「Okっ!じゃあ頼むよー!」


ピンポーンっ!


谷川教官がチャイムを押した。


店員さんが来るまでご飯を食べたり、サラダを食べたり。


「ここの肉・・・っていうかタレどう?」



この質問・・・・・。

なんて答えたらいいんだろう・・・??


正直こんな経験のない私は困ってしまう。


嫌われたくないし、好みが合わないって思われたくない。


顔に出さないように。

こんな時は女の子って女優になれると思う。


好きな人に感じよく思われたいって気持ちで――――――

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