恋の教習所
あれから何年経った?

谷川教官・・・・・覚えていてくれてますか?




桜が舞う季節。

あの時と変わらない、青空に桜。

 

大学を卒業した私は、この場所に戻ってきた。

空を見上げて、深呼吸して。

それから私は足を進めた。




「今日からこの学校で働くことになりました。新入社員の・・・。」

所長が朝礼で紹介をしてくれる。
私の他にあと二人。
事務の女の子と、もう一人男の人。
女の子は私とあまり年が変わらないような感じ。

二人の挨拶を聞きながらボーっと考えていると私の番がやってきた。

「今年大学を卒業しました、一ノ瀬三咲(いちのせ みさき)です。早く皆さんに追いつけれるよう頑張りますので、色々教えて下さい。よろしくお願いします。」

みんなが私の方を向いている。
知ってる人たちもいる中で私は頭を下げた。
手を叩いて同じようにみんなも頭を下げてくれた。


その中に・・・・・


あの人がいた。


あの頃と変わらない笑顔で、私を見ていた。



谷川教官・・・・・


私はやっとここまで来ました。



 
 




 







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