恋の教習所
その後は私も気を抜かずコースを走りきった。

もちろん笠井君も走りきった。


ただ、指導員審査はこの教習所のコースではない。
免許センターにある試験場のコース。

いずれはそっちにも練習に行くと言っていた。

それに場内コースだけではなく、路上もある。

路上の練習もしておかなければいけない。


まだまだ指導員になる道は長い。


「今日は一ノ瀬さんのミスから後、二人は気を抜かずに運転したからあの気持ちを忘れずに。」

車を車庫へ入れて、反省会。

「はい。気をつけます。」

当事者の私はすぐに返事をする。

「はい。」

笠井君も私に続いて返事をする。


「まぁ、僕の採点の中ではまだまだだし、僕の指摘ももっともっと増えるから覚悟しておいてね。」

・・・・・山本教官。
とどめの一言がなかなか突き刺さる。


今はもっと言いたいことがあるけれど、入ったばかりの私たちを気遣って押さえているんだろう。

審査が近くなるにつれ、どんどん指摘が入るようになるだろう。

それまでに運転のレベルを上げておかなければならない。


「あ、ちなみに。運転はもちろんだけど指導指摘の練習も入れていくから。」

付け足しのようにさらっと言われたが。

運転以外にも車に乗ってすることがあるんだ。


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