恋の教習所
“指導指摘”

これは運転席に乗っていた私たちは助手席へ。
山本教官が運転席へ。

そしてそのまま山本教官が運転をする。


ただ・・・・その運転の仕方は教官としての運転ではなく。


あえてミス連発の運転をするのだ。

その運転に対して助手席の私たちは、手順が違うとか合図が遅いとか指摘をしていく。
それだけではなく、その指摘に続けて指導をしてかなければならない。

言っている隙からもう次の動作をしているのでそれも見なければいけない。

山本教官と練習をして、審査当日は免許センターの人が運転手となる。


大変そう・・・。


だから先に運転の練習をするそうだ。

正しい運転の手順、操作の仕方を自分がまず覚える。

そうしておかないと指摘も指導も出来ないから。

それが出来ないということは、当然教習も出来ない。


やっぱり教官への道は長い。


「じゃあ次の時間はもう一度運転ね。10分後に戻って来て。」

山本教官に言われて、私たちはお礼を言って車から降りた。


――――――――――――よし、考え事は今のうちにしておこう!

さっきの反省も含めて、私は今のうちに考え事を終わらせようと思った。


・・・・・・・なぁんて。
そんなにやろう!と思ってすぐに思い浮かぶなら解決も早い。

出てこない考え事をわざわざ作るのも面倒だし。


私は教養中電源を切っていたケータイの電源を入れた。
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