恋の教習所
「で、電話でね色々話をしてたんだけど、入ったばっかりでみんなお互いの事をしらないから、1回同期で集まらないかって。」

なるほど。
でも、同期って何人位いるんだろう?

「同期の人って何人いるの?」

私は気になったから聞いてみる。

「部署がそれぞれ違うんだけど事務に4人、看護師で16人かな。」

「全部で20?!」

私の所の3人に比べてしまうとかなりの人数に思えてくる。

「でも、部署が違うよ。事務はみんな1階事務所だけど、看護師は各病棟とか診療科に分けられるから。私の病棟は私入れて2人だし。」

そう考えればそんなに大人数でもないように思えてしまうのがなんとも不思議だ。

「いつの間に連絡先交換とかしたの?初日にそんな時間あったの?」

部署に分かれてしまえば顔を合わすことも少ないような気がする。

「うん。入社式の前に控え室になるのかな、そんな所で交換した。」

「初日って凄いね!!話する勇気がいるよ、私。」

「でしょー!その音頭を取ったのが、そいつよ。」


そいつって・・・。
勢いがついた友紀は止まっていた手を動かして、パスタを食べた。

その様子を見て私もお味噌汁に口をつける。

・・・・ちょっと冷めて来てる。


「そのそいつ、よく20人もいる中で声あげたねー?」

前にも言ってたように大人しめの私にとっては凄いことなのだ。

「中には年上の人もいるんだよ?どっちかと言えば私たちは下になる方なのに。調子がいいやつ!」

末っ子タイプなんだろうか。
その辺はなんだか友紀の彼氏、奥田君とはタイプが違いそうだ。

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