恋の教習所
止まっていた手が動き始めると、私たちの目の前の料理はどんどん姿を消した。

空いていくお皿。

この調子だとデザートにたどり着くのは早そう。


「その調子いいやつにみんなよく賛成したね?」

私ならいきなり言われたらちょっとビックリするかもしれない。

「うん、なんか年上の人が“確かに連絡する事があるかもしれない。”って賛同したら、そこから先はあっという間だった。」

同期の絆ってやつ?
それはわかるかもしれない。
私も連絡先は分からないけど、笠井君と村田さんにはお世話になっている。

「そっかぁ。まとまりのある同期でよかったじゃん?」

やっぱり先輩達もいるけど、同期を頼る事が多い気がする。

「それはね。けど、そっからよ。みんなで集まろうってやつ!」

友紀は思い出したかのようにまた力が入り始めた。


「20人一気に集まれると思う?部署も違うのに。」

確かに友紀の言うとおりのような気もする。
詳しい事はよくわからないが、病棟と診療科でも違うような気がするし。
ましてやこれから夜勤など入ってきたら大変だろう。

「それもそうだよね。その辺の事は何か言ってた?」

提案者の・・・友紀が名前を言っていないからわからない。
提案者の彼はどう考えているんだろう。

「事務は5月から残業が入ってくるって。それで看護師の方はどうかって聞かれた。」

「なるほど。・・・ところで友紀。」

提案者の彼の名前を言っていないの気づいているかな。


「ちょっと待って、私ドリンク取ってくる。話してたら喉かわいて来ちゃった。」

あ!!
それなら私も。

私たちは話を一端中断させ、ドリンクのおかわりへと行く事にした。


さっきご飯を食べる時に紅茶にした。

次は何を飲もう。
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