恋の教習所
ふと気づけば6人みんなで私たちの方を見ていて。

笑顔で物を言っている。


“あとはまかせまーす”


そんな・・・。

私今日谷川教官の学科を楽しみに来て、それがいきなり山本教官に変わって・・・さらに質問はこっちに全部くるって・・・何か悪い事をしたんだろうか。

そんな気分にさえなってくる。

「大丈夫だってー。私たちが助けるからさぁ!いい先生になってよ!」

先ほどゆめと呼ばれた子が声をかけてくる。

助けるというのは何なんだろう?

ただ、最後の言葉は素直に嬉しかった。

接触もそんなにない、唯一学科が一緒になる位の教習生が声をかけてくれて励ましてくれる。


「ほら、教習生も応援してくれてるから頑張れよー!」

教卓の方から山本教官からも励ましととれる言葉が来る。

元はといえば山本教官が発言したらこうなったんだが。


「はい、よろしくお願いします。」

笠井君と

「よろしくお願いします。」

私は教室全員に返事をした。


「じゃあこの時間は、教習項目は4かな。車の通行するところ、車が通行してはいけないところね。」

そしていつもの谷川教官とは少し違う。

いや、質問がすべてこっちに回ってくるといった点では大きく違うのか。


そんな山本教官の学科が始まった。
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