恋の教習所
卓球台がいくつか並んでいる部屋だ。

音がしているという事は今現在誰かがやっているのだろう。

施設としてはこれらの他に、壁にはずらっとマンガが並んでいるフロアや外にはテニスコートまであったりする。

合宿生の約二週間という期間を過ごしやすいように、社長が設置をしたらしい。

ここは合宿生以外にも地元の教習生にも利用が出来て、私もよくお世話になった。


そんな場所を横目にしながら、倉庫へと行き鍵をあけた。


パチッ!


電気のスイッチを入れる。

「机、二つって言ってたな?」

笠井君はちゃんと朝礼の事を覚えていた。

「うん、言ってたね。」

さっき思い出してよかった、と思いながら返事をする私。

「これでいいかな。」

「出しやすいもんね。」

私たちはドアから一番近い机を二つ選んだ。

さすがに一人で持ち上げるのは大変だから二人で。


倉庫から出したものの・・・・・さすがに眠っていただけあってほこりがかぶっている。

「・・・ここで拭いて持っておりようか?」

私は指で机を撫でてみるとやっぱり着く。

同じように笠井君もやってみて一言。

「それがいいなー。」

納得のようだ。


笠井君には待っていてもらい、私は女性トイレに雑巾を取りに行った。

いつも清掃の人はそこに道具を置いている。

手洗い場で水で濡らして。

すぐに戻る。


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