恋の教習所
次の日も変わらず出勤。

そろそろ初めての休みも近づいてくる。

そして他の教官は4月の後半からその休みの回数も増えてくる。
冬の繁忙期にたくさん仕事をしたから、という事らしい。

でも私たちは残念ながらそれをしていないので、週1回の休みのままだ。


「おはようございます。」

私はいつものようにタイムカードを打つ。


「おはよう。」

ちょうど出勤して来た湯浅教官。

「わぁー、湯浅教官!おはようございます。」

私の後にタイムカードを打った湯浅教官。

この後の行動は分かっていた。

タバコ吸いに行くんだ。

教習生の頃から可愛がってくれていた湯浅教官。
ちょこちょこと私もついて喫煙室に入った事がある。

自分の机にカバンを置いて、教本やノートを取り出しながら湯浅教官を見ていた。

カバンを置いて・・・。
パソコンの所へ行って今日の配車を見て・・・。

そのまま事務所から出て行った。


やっぱりー。


谷川教官もタバコを吸うから、湯浅教官について行くとそこで話せたりしていた。

教習生の頃から変わらないな、私の行動も。

なんてことを考えながら席を外れる。

朝礼までまだ時間があるし。



湯浅教官を追いかけて喫煙室へ行くために。
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