恋の教習所
次の日の仕事で。
他の看護師に予定を聞く事。

“事務の人たちが同期で集まろうって言ってるんだけど、どうですか?”


でも、その前に・・・私にはしておきたい事があった。
それは・・・・・・・。

彼に先に話をしておきたかった。

後から耳にするよりいいと思ったから。

っていうのは、私がそうで。
なんか後か聞くと、何で先に言ってくれなかったの?って思ってしまうから。


三咲と別れた後、彼に電話をする事にした。
もちろんまだ出先のまま、車の中で。


プルルル~・・・・・。


大抵そろそろ出るはず。

時間帯も時間帯だから家にも帰っているだろう。


『もしもしー。』

ほらでた。

「もしもしー、奥田君?」

『お疲れー。仕事はどう?』

「今日はね、いつも位で終われて、終わってから三咲と会って来た。」

私は今日の出来事伝える。

奥田君はもちろん三咲を知っているから。

『一ノ瀬さんも元気に仕事行ってるの?』

「うん。お互いに仕事の話して来た。奥田君はもう何年も社会人やってるんだよね。凄いよね!」

『いや、僕なんかまだまだだよ。一応毎年新入社員入ってくるけど、年上が多いしね。』

高校卒業して就職した奥田君。

もう何年も同じ会社で働いているけど、年上が入って来ると気まずいらしい。

分かる気がする。

私も同期とはいえ、そうだから。

「難しいね。社会って。学生の方が楽だよー。」

『よく考えたら、学生の時よりも社会人としての人生の方が長いんだよね。』

「確かにー。でも学生の時がいい。もう一回中学生に戻りたーい!」

『木田は大学生の時もそう言ってた。』

そうだったっけ?
電話の向こうで奥田君が笑うから、つられて私も笑った。




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