恋の教習所
いつものように、みんなが教習に出た後でタイムカードを打ち事務所を出る私たち。

そしていつものように、駐車場で笠井君と別れる。

車に乗ってエンジンをかけるが、私の気持ちはもう家へ向かっていた。


家に帰ってからも、時計を見て。

また見て。

何度か繰り返すこの行為。


見習いの私は早く帰れるけど、谷川教官はまだ教習中。

終わるのを待っている。


メールをするために。


ご飯も早く食べて、お風呂にも入って準備万端。

後は学科があるからきっと最後まで残っているであろう、谷川教官が終わるのを待つだけ。


“なんてメールしよう。”

“前にしてた時はなんてしてたっけ?”

“本当に返事返ってくるかな?”


今の私の頭の中はこればっかり。


楽しみで仕方がない。

少しでも近づきたくて、話がしたくて。

仲良く話をしている教習生が羨ましかった。


でも、メールには教習生はいない。


私と、谷川教官だけ。



早く教習終わらないかな??
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