夜色オオカミ
ぎゅうっと胸が締め付けられたみたいな気持ちだった。
そんなあたしの気持ちに気付いたのか
十夜はまぶしいくらいの笑顔をあたしに向けた。
「…それでも、俺は真神を大切に思ってる。どんな奴らだっていずれは俺が守っていくんだ。
…紅と蒼を見ただろう?」
それにあたしはコクンと頷いた。
「餓鬼のうち人狼は不安定なんだ。
耳やしっぽが出たままなんてざらなんだよ……。
当然、あのまま学校なんて通えねぇ。」
「………!!」
「勉強なんかはここの奴らが教えてその辺の子供よりよっぽど頭いいけど、…そういうもんじゃねぇからな。」
普通の子供達みたいに外で走り回って遊んだり…きっと彼らは当たり前のことを知らない。
それはやっぱり
真神家が人狼の一族であるための普通とは違う故の孤立なんだ。
無邪気な笑顔が浮かび…あたしの胸は再び締め付けられたようだった。