夜色オオカミ
それから間もなくして……『頭』と十夜が呼んだ人達が集まった。
みんなそれぞれに威厳がある数十人の年配の人達………。
真神の中でそれぞれの群れを統率しているリーダーのような人達なんだろう…と、あたしは思った。
「…………。」
全員が十夜の前で硬く緊張した面持ちで……
それは、十夜から放たれるビリビリとした気配のせいなんじゃないかな……と、
特別な力を何一つ持たないあたしですら思った。
そのくらい……十夜は圧倒的なオーラを持っている。
次期当主たるもののカリスマはここにいる全員をのみ込む―――――――……
全員が固唾を飲んで見守る中
十夜がその口を開く。
「おおよその話しは橙伽から聞いたはずだ。
『ありえねぇ』事態だ。
今より全員で紫月を………狩れ。」
「………!!?」
十夜から放たれた言葉に息を飲んだのは……あたしだけだった。