夜色オオカミ
「とりあえず今日は送る。こっちで色々と調べるから…おまえは何も心配すんな……?」
「十夜……。」
十夜はあたしの頭を優しく撫でながら、黒い瞳を優しげに細める。
あたしは十夜の瞳を必死で見上げて……
「あたし、はっきり言えるから……!
紫月さんには逢った時……どうしてか、切ない感じと恐怖を感じたの…。
でも……十夜には…初めて逢ってから、惹かれしかしなかった!!
あたし…間違いなく十夜だけの花嫁でしょう………!?」
「………っ!!」
すがるように十夜に言った。
どうしてもそれだけは伝えておきたかった。
あの……不思議な感じ……。
間違いなく、あたしと紫月さんには何か関わりがあるんだと思う。
でも……!
それは絶対に、あたしがあの人の花嫁ってことじゃない……!!
あたしは、あの人と惹かれあっては………ない……!!
きっと何か原因がある……!
「おまえは、間違いなく俺だけの花嫁だ……!!絶対、誰にも渡さねぇ……!!」
「……っ!!」
あたしを力強く抱き締めてくれた十夜があたしにまた力をくれる。
あたしだって絶対に負けない……!
だってこの心には
あなたしか想う隙はないの。