夜色オオカミ
少し開いたカーテンの隙間から見える真っ暗な空に…思わず、ゾクリと背筋が凍る……。
「………っ!」
立ち上がって、シャッ!とカーテンを乱暴に引いた。
まるで……紫月さんがあたしのところに近づいているんじゃないか……
そんなことが頭に浮かんで、ぎゅっと自分で自分を抱き締める。
「………っ。」
じわり……目には涙が浮かんでくる。
――――コツン…。
「………!?」
部屋の窓に小石でも当たったような音がして、ビクッと体が硬直した……!
それでも震える足をなんとか動かして、
ゆっくりと窓に近づいた……。
恐る恐る…下を見ると
「…うそ……。」
下にはこちらを見上げる、
あたしの美しい黒い狼がいた……。