夜色オオカミ
十夜の腕の中で、あたしはやっと落ち着いた。
十夜がいてくれたら、恐いモノなんて何もない……。
安心してくっついていたら……
「おまえ、俺の家に来い。」
「え…っ、えぇっ!?」
十夜からいきなり爆弾発言をされた。
「祈咲を一人にしときたくねぇ。
おまえの親が納得するようなうまい理由はねぇもんかな………。」
「………!!?」
そう言って難しい顔をして真剣に考えてるその様子はっ
大マジじゃないの……!!?
「とっ、十夜……っ?」
戸惑うあたしが恐る恐る声をかけると
「あー…めんどくせぇ……。
いっそ俺が挨拶するか。
『お嬢さんを嫁に下さい』って……。」
「………!!?」
なっ?…と、あたしを振り返るその顔こそ
大マジじゃない……!!!
あたしの中に
この男なら間違いなくやる……!
そんな言葉が浮かんだ……。