夜色オオカミ
「庭に行こう姫君!」
「部屋に籠ってたってつまんないでしょー?」
「え…っ……ふ、二人とも……っ」
もたもたしているあたしの手を二人で引っ張って、あたしはいとも簡単に立ち上がってしまった。
子供とはいえ、さすがは人狼の血を引く二人……やっぱりその潜在能力は桁外れなんだろう。
「ほんとに急いで!おれたちコッソリ若様の部屋から来たから……」
蒼ちゃんがそう言って続きになってる十夜の部屋の様子を窺う。
「そうそう!若様ってばさぁ、この部屋にあった別の入り口…わざわざ全部塞いじゃったんだよなー。」
紅ちゃんがそう言ってあたしの部屋をぐるりと見渡してニヤリと笑った。
そしてあたしに向き直ると
「「…過保護だよね~~?」」
「………!?」
二人して声を揃えてにんまり笑った。
は…恥ずかしい……っ。
どうやらお子様にからかわれているのが分かって…思わず、真っ赤になってしまった。
「「……かわい~~いっ!!」」
「~~~~!!?」