夜色オオカミ
「………っ。」
ほんとは、知ってる……。
頭のいい十夜が、バカみたいな軽口をたたくのも……
ぜんぶ、ぜんぶ、
あたしの心を軽くしてくれるためだって。
「…何また泣いてんだ。
……笑え。」
「………っ!」
あなたは、どこまでもあたしに甘いヒトだって……
「……嬉し泣きだよ……。」
「…………!」
あたし、ちゃんと、あなたの優しさを…知ってる。
あなたに負けないくらい
あたしもあなたが、……大好きだから。
「……ありがと。」
「……。
祈咲の笑顔が見れるなら、……なんだってしてやる。」
「…………。」
あんまり……嬉しいこと言って、
…泣かさないで。
あなたがいれば、あたしは負けないから。
「……十夜……。あたし、やっぱり、……十夜に抱かれたい。」
「………!」
心からの……本心で。
あなたに対する想いを。
いちばん近くで知って欲しい。