夜色オオカミ




「~~~……あのなぁ、無理しなくていいんだぞ……?

俺は…いくらだって待てる。」



十夜は形のよい眉を寄せて苦笑を浮かべた。



それはあたしを大切にしてくれるいつもの優しい十夜。











…だけど、違うの。



「無理なんてしないよ……。

そうじゃなくて、そうじゃなくて…あたしは、十夜が好き過ぎて……っ

堪んないの……!」



「………っ!!」












違うの十夜…



今欲しいのはそれじゃない。














――――だってもう、












この気持ちを突き動かすのはあなたを好きで堪らないその想いだけ。













「……あたしが、待てないの……っ!!」



「………っ!!


……ざけんな……!!!」












そう吐き捨ててかき抱くように抱き締められた。














そのセリフ…



さっきと言い方違うね……?…十夜……。












…今欲しいのは、あなた。











十夜はあたしに甘いんだから



これだって、あたしに譲ってくれるでしょう……?







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