夜色オオカミ




床に……



脱ぎ散らかした服に下着が無造作に散らばる。



十夜の黒いTシャツがベッドの隅に引っかかっていた。



それを熱にぼんやりする頭で見ていた。



「……ん…っ、やぁ………!」



「……祈咲………。」



指で唇で吐息で……甘く優しく十夜が触れる。



すべてが熱くて、あたしは十夜という熱にうかされる。



逞しく引き締まった身体の重さが心地よかった。



あたしは間違いなく、あなたの腕の中にいる…そう、思い知れて。



熱い腕の中は幸せで…起こっている怖いことなんて忘れてしまいそうになる。









十夜が、好き、だ。



艶やかな黒い髪も



夜空みたいに煌めく黒い瞳も



甘く柔らかな唇も



あたしを包み込む大きな手も



「祈咲……。」



…少し低めの甘い声も、好き。



「………好きだ……。祈咲……」



「………っ。」










なにより、真っ直ぐで一途な…心が、好き……。










「……ぜんぶ、好き……。十夜………。」



「………っ!」









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