夜色オオカミ
《運命の花嫁》
人狼にとって……唯一無二のその存在。
十六歳になれば探すことを許される。
自分の魂の半分を持つ愛しき唯一人…
愛して愛されて埋まるその隙間
それを持つのは自分の《運命の花嫁》だけ
十年だ
その瞬間を願い続けた……
愛しき花嫁を想いながら……
私を置きざりに花嫁の手を取る友を見てきた。
未だ廻り逢えぬ者には『必ず逢える』と声をかけて
孤独であったけれど、希望は棄てていなかった。
そう
――――あの瞬間までは