夜色オオカミ
転校生は夜色少年
「ふわぁ~~…」
次の日。
あたしは学校でひたすら睡魔と戦っていた。
眠い…。
どーにもこーにも眠すぎる。
結局あれから睡眠時間はほんの3時間。
当然ながらぜ~んぜん寝た気しない……。
教室の自分の席に突っ伏してだらだらとHRまでの時間をやり過ごしていた。
「ふわわぁ~……」
堪えきれないあくびがまた一つ……
――――ズシッ
「……!」
ボヤけた頭にのし掛かるこの重し。
「き~さっ!あくびそれで5回目ー。寝不足なんてめずらしいわねぇ?」
「……萌花(モエカ)~」
あたしは潰れたカエル状態で情けない声を出して親友の名前を呼んだ。
のろのろと顔をあげれば
「やだーっ!祈咲のかわゆい顔にくま……っ!!」
「べつにかわゆくない」
瞬時に色濃くついた目の下のくまを見つけた萌花が、あたしの顔をがしりと掴んで悲鳴のような声をあげた。