夜色オオカミ
ごめんね……。
すべてはあたしのせいなのに……
こうして祈るくらいしか出来ない。
何も出来ない自分がもどかしく情けない。
あたしの消えてしまった姉妹のことも……。
悲しいあなたの為に、あたし……何かしたい。
あなたが穏やかな眠りにつくことが、出来るように。
それをずっと考えているけれど、情けないことに何も浮かばないの……。
――――魂の欠片。
不意に頭に過ったその言葉。
あたしのどこにあなたはいるんだろう……?
よくわからないのに、そっと胸に手を当てた。
トクトクと、脈打つ心臓はあたしが生きている証。
あなたはあたしの心にいる気がする。
心臓を《心》と言うのは安易だけど、
――――ねぇ……?
「…ここにいる……?」
もう一度、返事などくれることのない自分の胸に……両手をそっとあてた。
添えた自分の手のせいかもしれないけれど………
胸が、あったかくなった気がした。