夜色オオカミ




「何いってんのよっ!

真っ白な肌におっきなうるうるの目!ピンクの唇!ふわふわの髪に華奢で儚げな雰囲気…

これを美少女と呼ばなくてどうすんのっ!?」



「…………。」



あたしの親友、鈴木萌花(スズキモエカ)は大人っぽい顔立ちのスタイルのいい美人で中学生の時からのつきあい。



面倒見がよくてさっぱりした性格で大好きなんだけど



あたしの人形じみた無機質な容姿が昔からお気に入りで、本人以上にお手入れを気にする。



まぁ、あたしにお手入れを気にする様子はまるでないんだけど。



「儚げとか…あり得ない………。」



俗に《守ってあげたく》なるらしいあたしの見た目。



でもこの容姿はあたしにとって正直めんどくさい。



いつも誤解されるし



『体弱いんでしょ?』



風邪も滅多にひきませんよ。



『一人じゃ何も出来なさそうでほっとけない!』



ラーメン屋だって一人で平気だからほっといてください。



――――とにかく!



甘ったるい見た目とは裏腹に、あたしの中身はそうじゃないのだ。




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