夜色オオカミ




十夜はそんなあたしに対してふわ…とあくびをした後…笑顔を見せた。



「よく寝たからもういい。

おまえが目ぇ覚めたんなら俺も起きときてぇし」



「…………!」



そう言いながら、あたしを優しく抱き締めた。



「よく寝たか……?」



「……うん。すごくよく寝た………。」



ろくに眠れなかったのが十夜の傍で心底安心しらしい。



十夜はあたしの頬に手を添えると優しく微笑んだ。



「俺はもう…おまえがいねぇと眠れもしない……。

今日からはずっと一緒に寝るからな?」



「えぇっ!?」



にやりと不適に笑う顔はあたしの大好きなそれで……



本当にいつもずるい狼だとあたしは思う。



このタイミングで言われちゃったら、断ることなんて出来ないよ……。



あたしは恥ずかしさに俯いて、でもあたしを抱きしめる十夜の腕をぎゅっと抱き締め返した。



「…約束な?」



「…………。」









それで十夜は全てをわかってくれるんだ。








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