夜色オオカミ




橙伽さんてすごい人だ………。



普通の人なら間違いなく十夜にこんなこと言えないよね……。



小さな頃からお世話をやかれていただけあって、十夜もどこか橙伽さんには頭上がらない感じなんだよね。



思わず感心するあたしをよそに、橙伽さんが急に真剣な顔つきに変わった。



「お戯れはさておき、


――紫月に動きがありました。

異常事態です。」



「…………!?」



その名前を聞いて反射的にあたしの肩がビクッと震える。



それに十夜の顔が険しくなった。



「…………言え。」



静かな声に怒りが見える。



橙伽さんはゆっくりと口を開いた。














「…真神の者が手当たり次第に《狩られて》おります……。」



「「…………!!!」」










< 251 / 472 >

この作品をシェア

pagetop