夜色オオカミ




18歳になり、兄は白百合と結婚をした。



一族中の祝福を受け、二人は夫婦になった。



その席で、私にも出逢いがあった。



16歳になっていた私の元に《運命の花嫁》が現れた。



それはなんの神の悪戯か………








『…綺麗な髪と瞳ねぇ…。雪とルビーみたい!』



『………!?』



真神家での披露宴の最中…賑やかな宴に疲れ、庭園でぼんやりとベンチに座っていた自分にかけられた明るい声。



振り返れば……



『あ!いきなりごめんね。

はじめまして!あたしは雛菊(ヒナギク)。今日から親戚ね。』



『雛…菊……?』



アルビノでなんの能力も持たなかったが、人狼の本能は残っていた。



甘い花の香りとともに



白百合とそっくり同じ顔をした少女に、



――――全て囚われた。









私の運命の花嫁は、白百合の《双子の妹》…高村雛菊(タカムラ ヒナギク)だった。












この出逢いにより



運命の輪は、更に廻り出す。










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