夜色オオカミ
――――ザッザッザッ……!!
『………?』
草木を分け入り走る自分の前に、奇妙な落とし物。
立ち止まってる時間も惜しいというのに、《それ》から立ち上る異様なまでの鉄臭さに足は止まった。
『本…だ。』
古めかしい真っ黒な本。
所々についた染みは、血だった。
『………!!』
待ってましたと言わんばかりに吹いた強い風に
つけられた折り目を目指し、……本が開いた。
『……《禁断の…
…転生…術》……?』
――――全てを…誰か嘘だと言って。