夜色オオカミ
――――【此は禁断の呪いの書……
魂の半分を失った者にのみ、開かれる
おまえは撰ばれし者なのか?
必要な器は魂の半分と共鳴しあえる双子であること
双子であれば魂の半分は器に共鳴しその器に姿を変える
全てを喪う覚悟はあるか?
魂の半分をその全ての代償を持って手にする
稀なる一族の神の血をその白き牙に集めよ
我らの祖を甦らせた力は一族の血に眠る
しかし我らは神ではない
集めた血の力は牙が呪いに染まる一度のみ
朽ちた魂の半分は器に姿を変えるが
但し―――………】
『雛菊……』
双子の《器》
兄さん…あなたはそんなことまで撰ばれるのか…?
――――ザッ…!!
力一杯地を蹴った。
止めてくれ……
止めてくれ…!!!
頼むから兄さん
――――《無意味》に雛菊を奪わないで
雛菊は《器》じゃない